新しい兆し
この8月の夏休みは、うつうつとしていた。
まず、暑さが半端でないので、外に出ることがない。
部屋では、本を読むか、テレビを見るか、パソコンでネット検索をするか。
せいぜい、日が暮れて日差しを避けて、散歩するくらいだ。
これでは精神的に参るので、昼の喫茶店に行ったり、夜の食事に行ったり。
しかし感染という言葉が気にかかるので、そそくさと引き上げる。
新しい生活スタイルなど作れそうもない。
しかし何もすることがないことに慣れてきた。日常の些細なことに意味を感じるようになってきた。
朝飯が終わって一段落して、コーヒー豆を挽いて、匂いを嗅ぎ、細い湯でコーヒーを入れる、この手順の中に芳醇な時間を感じるようになった。
ベランダに出て、メダカの水槽に餌を落とし込む。メダカが日ごとに大きくなってゆく。しかし、数が少しづつ減っているようだ。この風景にこころが和んでくる。
仕事を止めると、新しい生活の形が浮かんでくる。それをしっかりと捕まえることだ。